マスクが引き起こす口腔内トラブル
長引くコロナ禍が、実は口腔内の衛生状態の悪化につながっているのをご存知ですか?
次のような、複数の問題点が挙げられています。
マスク生活による口呼吸がもたらすトラブル
マスクは今や、日常生活における必需品。必要最低限のエチケットとされています。マスクをつけるときは鼻まで覆う必要があるため、慣れない人にとっては息苦しいのではないでしょうか。 そんなときに注意してほしいのが、口呼吸です。普段通りに鼻呼吸をすることが困難になり、口呼吸になる人が増えています。 口呼吸になるとお口の中が乾燥し、むし歯リスクや唾液分泌量の減少、体調不良などさまざまなトラブルを招きます。また前歯が黄ばむ原因にもなるため、注意が必要です。
リモートワークによる唾液量の減少
政府からリモートワークが推奨され、導入する企業が多くなりました。 自宅で黙々と仕事をしていると、どうしても会話量が減少してしまいます。 唾液には、口腔内の環境をよくするさまざまな作用があります。会話の減少に伴い唾液の分泌が少なくなると、口腔トラブルを引き起こすおそれがあり危険です。
在宅時間の増加に伴い、ジュースを飲む量が増えてむし歯が悪化
在宅時間が増えたことにより、砂糖がたっぷり入ったジュースを過剰摂取してむし歯を悪化させるケースが増えています。 ごく初期のむし歯は一般的に経過観察となりますが、生活習慣が急激に変化すると急速に悪化してしまうのです。本来であれば歯磨きや薬で予防できた歯を、削ることになってしまいます。
【高齢者】筋力不足となり、診療台から起きられなくなる
不要不急の外出を控えることで、家でじっとしていることが多くなります。その結果、筋力が衰えて診療台から起きられなくなるのです。そのほか、階段の昇降なども困難になってしまいます。
【子ども】精神的な不安が大きくなり、悪習癖が生じる
子どもは、私たちが想像している以上に周囲の変化に敏感です。 生活様式の変化により大人がピリピリしていると、子どもはその影響で大きな不安を感じてしまいます。それが行動に現れ、指しゃぶりや自身の髪の毛をむしる子どもが増えています。指しゃぶりは、不正歯列や不正咬合の原因になるため注意が必要です。
【中高生】夜更かしなどの不規則な生活により口腔内の状態が悪化する
自宅へいる時間が増え、ネットをしたりテレビを見たりする時間が多くなりました。特に最近はYouTubeやTVerなどで手軽に動画を見られるため、不規則な生活になりがちです。 その結果、中高生を中心に口腔内の状態が悪くなり、むし歯や歯肉炎、口臭や口内炎などの症状を訴える人が増えています。
ストレスによる噛みしめ
マスク生活やリモートワーク、外出自粛、イベントの中止…。 人によって程度は違うものの、コロナがもたらした生活の変化は甚大なものです。目には見えませんが、それは少なからず私たちのストレスとなっているに違いありません。 あまり知られていませんが、実はストレスによる「噛みしめ」が原因で起こる口腔トラブルが数多く存在します。歯のひび割れや知覚過敏、むし歯や歯周病など…挙げればきりがありません。 中には歯が割れてしまい、抜歯をしなければならない患者さまがいらっしゃいます。 このようなトラブルを引き起こさないために、日頃から正しい姿勢を意識しましょう。唇を閉じた状態で上下の歯を1mm程度離し、舌は上顎へ軽くつけておくことが大切です。