歯のトラブルの対処法を要因別に解説!
①脱灰が要因の場合
ブラッシングを丁寧に行って歯垢を取り除いているのに、歯に白い斑点や帯状の変色が起きる場合があります。歯の脱灰と呼ばれる現象で、虫歯菌が出してる酸が歯のミネラル分に悪影響を及ぼしている状態です。そのまま放置すると虫歯に繋がってしまいます。口内では、食事をすることで絶えず脱灰が発生していますが、唾液の再石灰化によって自然に回復する機能があります。
脱灰を対処するよりも再石灰化の力を向上させることが大切です。再石灰化の力を向上させる為には、虫歯菌の原因になる糖分を沢山含んだ食べ物を控え、ブラッシングで徹底的に歯垢を取り除いて口の中を綺麗な状態で維持することが大切です。そして、歯の再石灰化を促進させるフッ素を含めた薬剤でコートすることや、歯科医院でコート剤を塗ることも重要です。そして、砂糖を含んでいないキシリトールガムなどで唾液の分泌を促すのも大切です。
②神経を抜いていることが要因の場合
神経を取り除いた歯が、時間が経つごとに黒色に変わるケースがあります。これは歯の神経を取り除くと水分が失われ、栄養が隅々まで行き届かなくなることで歯が衰えることが要因です。たとえ神経を抜いていなくても、歯を強く打つなどの外的要因でいつの間にか神経の機能が失われて色が変わる場合もございます。
神経が機能していない場合の改善
歯が黒くなっている要因が、表面的な汚れではございませんのでクリーニングによる改善は見込めません。そして歯を白くさせるホワイトニングでも改善は難しいと思われます。
ですので、一般的には歯を削って差し歯や被せ物をするケースが大半です。
また、ウォーキングブリーチという神経が無い歯に対応できるホワイトニング方法や、表面を樹脂やセラミックのプレートで覆うベニアと呼ばれる手法も効果的です。
歯の状況や患者さまの治療の予算に合わせてそれらの手段から選択することがおすすめの対処法です。
③歯石が要因の場合
口の中の歯垢を取り除かずにそのまま放置すると、口内のミネラル類と合わさって約 48 時間が経つと、凝固して歯石に変わります。
歯石は軽石のように小さい穴が沢山空いている為、細菌が集まりやすいです。ですので、歯垢と同様に歯石は虫歯や歯周病の要因に繋がります。歯石は大変硬い為、ブラッシングで取り除くことは難しいです。歯石の対処方法として、プラークを全て除去して口内環境を綺麗な状態に戻し、歯石が発生しない様にすることが重要です。セルフケアのみで歯垢を全て除去することは中々難しく、奥歯や前歯の裏側などブラッシングがしづらい箇所に少しずつ歯石が蓄積されていきます。
出来上がった歯石は、歯科医院に通って取り除くことが大切です。歯周病の治療を前提とした歯石の治療なら、保険適用内で比較的安価に実施することが可能です。
専用の器具を使用して自分で取り除くことも可能ですが、患者さまで全ての歯石を取り除く事は困難ですし、歯や歯茎にダメージを与えて別の治療が必要になるリスクも高まる為、推奨しません。
④着色汚れが要因の場合
歯磨き剤の中には、色素沈着を取り除くことに適した成分が混ざっているものが売られておりますので、これらを日々のブラッシング時に活かすことが大切です。
一度に色素沈着を全て取り除きたい人や、自分自身では対応できない着色汚れを取り除くには歯科医院でのクリーニングを推奨します。
着色汚れに対する有効な対処法は、着色の原因を可能な限り控えてブラッシングすること、また歯科医院でのクリーニングを一緒にすることが大切です。