歯茎の口内炎が痛い! 種類・原因・つらい痛みを解消する方法【前編】
歯茎の口内炎の種類・原因について
歯茎にできる口内炎
口内炎は、一度できると痛みとの闘いがしばらく続きます。気になって、仕事や家事が手に付かない方もいるでしょう。
口内炎は舌の側面や頬の裏側だけでなく、歯茎に生じることもあります。
歯茎に口内炎ができることは珍しく、これまで聞いたことがない方もいらっしゃるかもしれません。
本記事では歯茎にできる口内炎の特徴や種類について詳しく解説します。
口内炎とは無縁の方も、今後発症したとき対処できるようにぜひ読んでおいてください。
刺激を避け、安静にして過ごすのが基本
「歯茎に口内炎ができるなんて聞いたことがない」
「ほかの病気なのでは?」
このように思う方もいらっしゃるかもしれませんが、そもそも口内炎とは「口腔内にできた炎症」を指します。ですので、表現は決して間違っていません。
原因のほとんどがストレスや疲労の蓄積、ビタミン不足などによる免疫力の低下です。そこに頬の内側の粘膜を噛んだり、歯ブラシを強く当てたりするなどの外的刺激が加わることで、口腔内の常在菌が入り込んで感染するのです。
治すためには、自己免疫力を高めるほかありません。極力刺激を与えないようにしながら、安静にして過ごしましょう。1週間~10日程度でよくなるはずです。
口内炎のタイプ
できる場所に関係なく、タイプは大きく分けて3種類です。1つずつ、特徴を詳しく解説します。
1.アフタ性
一般的な口内炎が、こちらのアフタ性です。直径2mm~10mm程度の白くて丸い潰瘍が見られ、周りは赤く延焼しています。
熱いものや刺激的な調味料などを口にすると、強く痛む点が特徴です。会話の際に、患部へ歯などが当たると痛いと感じることもあるでしょう。
原因のほとんどが、免疫力の低下および粘膜からの細菌の侵入です。
暴飲暴食や不規則な生活などの心当たりがある方は、特に注意が必要です。バランスのよい食事を心がけ、十分な睡眠時間を確保しましょう。
治るまでの数日間は激痛との闘いですが、10日~2週間ほど様子を見れば自然治癒するでしょう。基本的には、放っておいて問題ありません。
2.ウイルス性
何らかのウイルスに感染した場合も、口腔内に潰瘍ができます。代表的なものは、次の2つです。
【2-1.カンジダ】
常在菌の一種であり、真菌類(カビ)に分類されます。普段は口腔内にあっても特段問題ありませんが、免疫力が低下すると増殖して粘膜の炎症を引き起こします。
白いコケのようなものが口腔内に付着している場合、カンジダが疑われます。痛みがないため、発見が遅れる場合もあります。中には赤い斑点状の発疹が出ることもあり、その場合は強く痛むのが特徴です。
【2-2.ヘルペス】
こちらも同じく、日本人の90%近くが普段から持っている菌とされています。幼少期に親から感染することが多く、免疫力が落ちたタイミングで炎症を起こします。
唇や歯茎に小さめの水ぶくれが密集し、その周りが赤く炎症します。重度の場合、ただれや強い痛みが見られるでしょう。
ウイルス感染によるものなので、歯科医院で適切な治療を受けてください。気付いた時点で受診することが早期回復のカギです。
3.ほかの病気が関係するもの
様子を見ても回復の兆しが見られない場合、アフタ性ではなくほかの病気が関係しているかもしれません。
代表的なものとして挙げられるのが次の4つです。
【3-1.ベーチェット病】
原因不明の特定疾患で、難病指定されている病気です。口腔内に口内炎が繰り返し発生し、並行して性器や皮膚、目の周りにも同様の症状が見られます。
ヘルペスなどのウイルスが感染すると、さらに厄介となるので早期の治療が大切です。
【3-2.壊死性潰瘍性口内炎】
不規則な生活や体調不良などによって、免疫力が突然低下した場合に起こります。
丸くて白い潰瘍や歯肉のただれ、強い痛みなどが主な症状です。場合によっては出血や口臭を起こすこともあるでしょう。
様子を見ていても自己回復しないため、早急に歯科医院を受診してください。放っておくと最悪の場合、歯が抜け落ちたり顎骨が壊死したりする恐れがあります。
【3-3.HIV(エイズ)】
HIVは「ヒト免疫不全ウイルス」による病気です。
様子を見ていても悪化の一途をたどる場合は、歯科医院を受診してください。
【3-4.がん】
極度に大きい口内炎ができている場合、口腔がんが疑われます。初期段階では違和感がなくとも、進行するにつれて徐々に痛みが生じるでしょう。
一般的な口内炎とは見た目や症状が異なるため、何かおかしいと感じたら歯科医院を受診してください。
今回は、口内炎の様々なタイプについて紹介しました。
基本的には自然に回復しますが、場合によっては治療が必要なこともあります。また、ただの口内炎だと思っていたら、重篤な病気が発覚するケースもあるので侮れません。
なかなか自然治癒しない、ほかにも何らかの症状が見られる場合は早めに歯科医院を受診してください。最悪のケースになる前に、適切な治療を受けましょう。