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歯磨きで歯茎から血が出る! その原因や対処法などを詳しく紹介【前編】

歯磨きで歯茎から血が出るのは危険?!


ブラッシングのあとにうがいをしたら、吐き出した水に血が混じっていて驚いたという経験はありませんか?
1日だけなら「たまたまかな?」と思うかもしれませんが、何日も続くと不安になると心配になると思います。
一時的なものだからと放っておいたら、のちのちとんでもない事態を引き起こすかもしれません。
強い力で磨かない限り、歯茎からの出血は起こりにくいためです。
血が出る原因や対処法などを解説するので、自分や家族に心当たりがある方はぜひご一読ください。
 
 

歯茎から血が出るのはどうして?

考えられる5つの理由について、詳しく説明します。
 

1. 咬合の問題

歯ぎしりや食いしばりといった悪習癖があったり、噛み合わせに不具合があったりすると、上下の歯を合わせたときに歯が揺さぶられて歯茎が炎症を起こしがちです。咬合や悪習癖を改善させるのが、解決のカギとなるでしょう。
 

2. 歯周病

歯周病菌によって生じる、炎症性疾患のことです。歯茎から血が出る、最多要因といっても過言ではありません。
放っておくと悪化の一途をたどり、最終的に歯が脱落する恐れがあります。
 

3. ドライマウス

口腔内が、常に乾いていると感じることはありませんか?心当たりがある方は、唾液量の少なさが原因でドライマウスになっているかもしれません。
歯についた汚れが落ちにくい上に、歯茎が腫れて出血しやすくなります。
ストレスやタバコなどの生活習慣、日頃飲んでいる薬の種類を見直すことで改善が期待できます。
 

4. ホルモンバランス

更年期障害の方や妊婦さんなど、ホルモンバランスが変化しやすい人は歯茎から出血しがちです。中でも女性は、女性ホルモンの分泌が増えるタイミングで症状が出やすい傾向にあります。
 

5.不適切なブラッシング


磨くときに強い力を加えると、歯茎が傷付いて出血する可能性があります。なでるような感覚で、やさしく磨きましょう。
以上、5つの理由について詳しく説明しました。
歯周病にかかっていると、ほかの部分に原因があっても症状を悪化させる可能性があるので気を付けてください。頻繁に出血する場合は、早めにかかりつけ医へ相談して適切な治療を受けましょう。
 
 

歯周病は恐ろしい病気?

若い方にはあまり馴染みがないかもしれませんが、歯周病は世界的に見ても罹患者の多い病気の一つです。日本では、成人の約8割がかかるのだとか。数字で見ると、意外と高い罹患率ですよね。
歯周病菌は、磨き残しの食べかすなどをエサにして徐々に繁殖します。歯槽骨が溶かされていき、最終的に歯が脱落したり、細菌が血管から全身を巡り重大な疾患を引き起こしたりしうる病気です。
症状の一つに「歯茎の炎症」がありますが、これは細菌の侵入を防ぐ目的で白血球が集まるためです。そこを歯ブラシで強く磨いてしまうと、出血につながります。
特別な痛みがないからといって放置すると、のちのち大きなトラブルになるかもしれません。歯周病の可能性を視野に入れつつ、早めに歯科医院を受診してください。
 
 

歯周病の進行に関して

歯周病は、どのようにして進行するのでしょうか。
初期段階では、歯肉溝(歯と歯茎との間の溝)に歯垢が蓄積して、歯茎だけが腫れます。この段階であれば、適切な対処によって早期の改善が見込めるでしょう。
しかし、ここから症状が進行すると「歯周炎」になります。
歯肉溝が深くなった結果、歯周ポケットが発生して歯石が蓄積しやすくなるでしょう。それと同時に、歯周病菌が歯槽骨を蝕んで歯茎が後退します。
見た目も徐々に変化していくと思うと、考えただけで恐ろしいですよね。
歯槽骨が溶けると、次第に歯が浮いたような感覚に陥ります。痛みに加えて、膿が生じるのも特徴です。
最終的には食べ物がうまく噛めなくなり、歯槽骨がすべて溶けて歯が脱落します。仮に残っていたとしても、抜歯を余儀なくされるでしょう。
歯周病は恐ろしい病気だと捉え、少しでも異常を感じたら早めに診てもらってくださいね。
次回は、歯茎から血が出たときの適切な対処法について説明します。

痛くない虫歯は要注意!知っておくべき5つの原因と治療法【後編】

痛くない虫歯は危険?!

 

 
今回も引き続き、痛みが出にくいむし歯について解説します。原因や治療法も併せて紹介するので、ご自身の症状と照らし合わせながらご覧ください。
 

1-3.二次カリエス

過去に治療した歯が再度むし歯になることで、被せ物や詰め物の経年劣化が主な原因です。劣化によるわずかな隙間から、むし歯菌が侵入して徐々に進行するのです。
被せ物や詰め物の奥や境目が特に蝕まれやすく、定期的に鏡を見ていてもなかなか気付けません。痛みなどの症状がない場合、自ずと放置することになるでしょう。
このタイプのむし歯も、あっという間に進行するのが特徴です。ですが被せ物や詰め物は汚れが付着しやすいため、手入れがしにくいのも正直なところです。
先述した内容と被りますが、やはり定期健診を受けて早期発見・治療と予防に励むことが重要になります。
治療法としては、むし歯検査機(レーザー光を用いて、むし歯のサイズや深さを数値化する機器)やレントゲン撮影、診察をしたのち再度むし歯部分を除去します。殺菌後、新たな被せ物や詰め物をすれば完了です。
ただし神経まで蝕まれている場合、抜髄などが必要になるかもしれません。
二次カリエスが起こるたびに健康な部分は削られますので、そうならないためにも定期健診を受けましょう。
 

1-4.初期段階のむし歯

むし歯菌が放出する酸によって、エナメル質が溶かされるとむし歯になります。白く濁るのが特徴で、痛みはまだありません。自分自身では気付きにくいですが、この段階で発見できれば元の健康な歯を手に入れることが可能です。
こちらも同じく、定期健診を受けて早期発見・治療を目指しましょう。
もし発見された場合は、診察やレントゲン撮影、むし歯検査機による検査を経たのち、進行を食い止めるためのブラッシング指導やフッ素の塗布が行なわれます。フッ素やリン酸カルシウムの塗布は歯の再石灰化を促し、歯を元の状態へ戻すことをサポートしてくれるでしょう。
削った方がよいと判断されることもありますが、少し削ったのちレジンを詰めて完了となるケースが大半です。治療期間や時間も最小限で済み、精神的な負担がかかる心配もないでしょう。
 

1-5.慢性的な虫歯


 
これまで紹介したのは、比較的進行が速いタイプのむし歯ばかりでした。しかしむし歯には、急性だけでなく慢性のものも存在します。
急性むし歯は、一般的に子どもや若者にも多く見られ、歯が黄色から茶色に変色するのが特徴です。痛みも強く、あっという間に進行するでしょう。
一方で慢性むし歯は、成人に多く見られます。歯の表面や溝が、何年もかけて黒く変色していくというものです。痛みなどの自覚症状はほぼありません。
そのため慢性むし歯は、歯科医師に診断してもらう必要があります。
定期健診などで慢性むし歯が見つかったら、進行状態をチェックします。進行が止まっていれば歯科クリーニングやブラッシング指導、フッ素塗布などが有効です。治療の必要性については、進行具合によって変わるでしょう。
 
 

まとめ

むし歯は痛みがきっかけで自覚することが多いため、今回紹介したタイプのむし歯は、患者さまご自身ではなかなか気付けません。
歯の健康を維持し、何かあった場合に早期発見・治療を行なえるよう、日頃から定期的に歯科健診を受けましょう。理想の受診頻度は、3~4ヶ月程度に1回です。
健診では口腔状態の確認のほかに、ブラッシング指導や専用の機器を用いたクリーニングを行ないます。日頃のセルフケアと併せてこういったプロケアを受けることにより、大切な歯を長持ちさせやすくなります。
痛みがないからといって何もしないのではなく、病気が潜んでいるリスクを疑って歯科医院を受診しましょう。

痛くない虫歯は要注意!知っておくべき5つの原因と治療法【前編】

痛くない虫歯ほど実は危険?!

 

 
突然ですが皆さんは、最近歯科医院を受診しましたか?
「そういえば何年も行っていないなあ」
「こないだまで少し痛かったけど、今は症状がないから大丈夫」
このように考えた方もいらっしゃるかもしれません。
 
この考えは、実に危険です!
痛みがなくとも、むし歯が少しずつ進行している恐れがあるためです。
自覚症状がなければ、なかなか歯科医院に行こうとは思わないでしょう。そのため痛みが出て受診したときにはすでに進行しており、抜髄(神経の除去)や抜歯を余儀なくされるケースも少なくありません。
日頃から「我慢できない症状が出たら医療機関を受診する」というスタンスの方は、歯を失くすリスクが高いと考えられます。
年齢を重ねても健康な口腔状態でいられるよう、本記事をぜひ今後の参考にしてください。
 
 

1.痛みのないむし歯があるのはなぜ?

まずは、痛みが出にくいむし歯のパターンを5つ紹介します。原因や治療法も併せて解説するので、自分の口腔状態と照らし合わせてみてください。
 

 

1-1.神経が壊死した歯

初期段階のむし歯は痛みがなく、それから進行するにつれてズキズキと痛むようになります。我慢できない状態が続いたあとに痛みが突然なくなることがありますが、これは決してむし歯が治ったわけではありません。
むし歯菌が歯の奥にまで到達し、蝕まれた神経が壊死しているのです。
痛みが出たときに、痛み止めの服用などでその場しのぎのことばかりをしていると、このような状態に至ります。
 
ほかにも過去に治療した歯の奥に潜むむし歯菌や、打撲などの衝撃がきっかけで神経を徐々に弱らせることもあります。
鏡を見たときに、灰色に変色している歯があれば要注意です。
神経の壊死を疑い、早急に歯科医院を受診しましょう。
 
中には「痛みがないなら、放っておけばよいのでは?」と考える方がいらっしゃるかもしれませんが、その考えは危険です。
放っていると、やがて腐敗して歯が溶けます。さらに細菌が繁殖して、膿の発生、激痛やひどい腫れを引き起こすでしょう。そして歯槽骨が溶け始め、最悪の場合は全身に悪影響を及ぼします。
 
歯の変色がある場合は、とにかく早めに診てもらってください。歯科医院で熱刺激や電気刺激、レントゲン撮影などによる検査を実施したのち適切な治療を行ないます。
具体的には歯の上部へ穴を空け、神経を除去して消毒します。その後、薬剤を詰めたらフタをして細菌の侵入を防ぎます。これでも痛みや腫れが続く場合は、抜歯が必要になるかもしれません。また抜髄時に膿がキレイに除去できないときは、歯茎を切開して取り除く手術を行なう運びとなるでしょう。いずれも大掛かりな処置となるため、それ以前に歯科医院で治療を受けることが重要です。
 
 

1-2.歯の根元にできる「大人むし歯」

30代以上の成人に多いのが「根面う蝕」と呼ばれる、歯の根元にできるむし歯です。主な原因は、不適切なブラッシングや歯周病による歯茎の後退です。
というのも歯の表面は通常「エナメル質」という硬いもので覆われていますが、歯茎の中に存在する根元部分は例外です。
そのためむし歯になると、あっという間に象牙質が蝕まれて取り返しがつかない事態となります。根面う蝕は自覚症状が出にくい、恐ろしいむし歯といえるのです。
このタイプのむし歯は、歯茎の下に向かってどんどん進行します。健康な部分との境界がわかりにくいため、治療が難しいというのが正直なところです。治療が遅れると、どんどん広がるというリスクもあります。
 
初期段階であれば通常と同じく「必要な分だけ削って詰め物(レジンと呼ばれる歯科用プラスチック)をするだけ」で済むので、
定期的に歯科健診を受けることが重要です。
歯周病の改善や予防も根面う蝕を防ぐことにつながるので、
日々のブラッシングと歯科医院での定期的な歯科クリーニングを併用して清潔な口腔状態を維持しましょう。
 
今回は、2種類のむし歯について解説しました。
残りの3タイプについては、次回詳しく紹介します。

歯周病菌がウイルス感染に影響?歯科医が教えるウイルスと歯周病の関係

ウイルスと歯周病は関係ある?

 

 
これからの季節、流行する恐れがある「インフルエンザ」。今年の冬は感染症対策の緩和などで、とくに流行するのではないかとメディアで取り沙汰されています。
そこで今回は、インフルエンザで明らかになっているデータをもとに、ウイルスと歯周病の意外な関係をお伝えします。
※新型コロナウイルスに特化した内容ではありませんので、あらかじめご了承ください。
 
 

1.歯周病菌とインフルエンザウイルスの意外な関係

 
ウイルスは、口や鼻から侵入するのが一般的です。しかし唾液や鼻水で洗い出されるので、必ずしも発症するとは限りません。
ただ歯周病菌には、喉の粘膜を保護するタンパク質を破壊することがわかっています。また糖尿病も、身体の免疫力を落とす原因となるでしょう。ウイルスが侵入・繁殖しやすい環境となり、感染症にかかるリスクがグッと上昇します。
健康な人はインフルエンザよりも、歯周病にかかりやすいというデータが実際に存在しています。
このように、両者には意外と深い関係があるのです。
歯周病菌から放出される酵素(プロテアーゼ)や毒素が「上気道粘膜」と呼ばれる喉の粘膜を守るタンパク質を壊すことが明らかになっています。
するとそこからウイルスが侵入し、細胞にくっついて体内へと入り込むのです。これが「感染」です。酵素や毒素が気道の粘膜も攻撃すると、炎症を起こして感染が広がるため注意が必要です。
 
 

2.歯周病を防ぐために

 

2−1.口腔ケアアイテムの併用

日々のブラッシングは非常に大切なことですが、歯ブラシだけでは6割程度の汚れしか落とせないことをご存知でしょうか。
そこで役に立つのが、その他の口腔ケアアイテムです。歯間ブラシやデンタルフロスを併用し、歯間などの汚れを確実に落としてください。毎回使用する必要はなく、1日1回程度でOKです。
 

2−2.歯科医院で定期健診を受けること

自宅でどれだけ丁寧にブラッシングしていても、磨き方のクセや歯列咬合の問題があると、どうしても磨き残しが生じがちです。最近は目に見えない部分で繁殖するので、気付けば歯周病になっていたという話も決して珍しくありません。
数ヶ月に1回は歯科健診を受け、歯科衛生士によるクリーニングで清潔な口腔状態をキープしましょう。適切なブラッシング方法も、適宜指導してもらえるはずです。
口腔ケアがウイルス感染の予防につながる!
口腔内を清潔に保つことで、具体的にどのような効果が見込めるのでしょうか。実際のデータをもとに、詳しくお話しします。
 
【データ1】
東京杉並区のある小学校2校を対象に、洗面台を増やして「歯みがき習慣を身につけるための推進活動」を実施しました。その結果、取り組みを行なっていない41校に比べて学級閉鎖のクラス数が半減したのです。
 
【データ2】
ある介護施設で、歯科衛生士が高齢者の口腔ケアを週に1回実施しました。すると半年後、取り組みを行なっていない施設に比べてインフルエンザの発症率が約10分の1という結果が得られました。
 

3.あなたは鼻呼吸できていますか?

ここからは、鼻呼吸を行なうメリットをいくつか紹介します。
口呼吸をしている自覚がある人は、これを機に意識しながらクセを修正しましょう。
 

3-1.フィルター作用がある

空気中のホコリやウイルス、花粉などを、鼻毛が絡め取ってくれます。鼻の粘膜から出る分泌液が、それらを排出してくれるでしょう。
 

3-2.加湿・加温作用

万が一ウイルスが鼻の中に滞在していても、空気が通ったときの加湿・加温作用で生存率が低下します。
口呼吸にはこの作用がなく、喉からウイルスが入ってしまいます。日頃から鼻呼吸を意識し、ウイルスが少ない状態で肺へ送り込みましょう。
「どうしても口呼吸になっちゃう…」
という方には、次に紹介する「あいうべ体操」にチャレンジしてみてください!
 
 

「あいうべ体操」に期待できる効果と方法


呼吸方法の改善に役立つ体操で、継続して行なうことが大切です。
最初の数日間は顔に筋肉痛や疲労が生じますが、慣れればスムーズにできるようになります。
初めは回数を減らすなどして、無理のない範囲で行なってください。
 
【手順(1日30セット)】
1.口を大きく開いて「あー」と発声する
2.口を大きく横に広げ「いー」と発声する
3.口を前にグッと突き出し「うー」と発声する
4.舌を下に伸ばして「べー」と発声する
ゆっくりで構いませんので、正確に口を動かすことを意識しながら行ないましょう。
 
 

4.まとめ

歯周病菌は歯を蝕むだけでなく、喉の粘膜を守るタンパク質を壊すという力を持った恐ろしい病気です。
これからの季節、風邪やインフルエンザに感染しないためにも、日頃からの丁寧な口腔ケアを徹底してください。歯ブラシだけで済ませるのではなく、ほかの口腔ケアアイテムも併用することが大切です。そして定期的に歯科健診を受け、健康な口腔状態をキープしましょう。
歯周病だけでなく、むし歯を始めとしたほかの口腔トラブルの早期発見・治療にもつながります。まずはかかりつけ医に連絡し、一度口の中を診てもらってはいかがでしょうか。
感染症が流行のピークを迎える前に、何らかの行動を取ってもらえれば幸いです。

顎が痛いのは虫歯のせい?痛みのさまざまな原因と治療方法を紹介

むし歯の症状は、歯の痛みだけだと思っていませんか?

 

 
実はむし歯を放置すると、頭痛や顎の痛みが生じる可能性があります。むし歯が原因で、なぜほかの部位が痛くなるのか不安に感じる人もいるでしょう。
そこで今回は、むし歯が原因で起こる顎の痛みについて詳しく解説します。適切な対処法も紹介するので、心当たりがある方はぜひ参考にしてください。
 
 

1.顎が痛むときの応急処置

 

1-1. 外側から頬を冷やす

痛みのある部分を、外側から冷やすことで緩和される場合があります。市販の冷却シートなどを活用し、適度に冷やしましょう。
保冷剤や氷を使用するなどして、冷やしすぎると血行不良を起こす可能性があります。冷やしすぎないよう気を付けてください。
また重度のむし歯の場合、口の中へ直接氷を含んで冷やすのもNGです。むし歯の影響で知覚過敏になっていると、痛みが強くなる恐れがあるためです。
 

1-2. 市販の鎮痛薬を服用する

痛すぎて我慢できないときは、市販の鎮痛薬を服用するのも一つの方法です。痛みの影響で食事ができない、あるいは眠れないと、免疫力が低下して症状が悪化するかもしれません。状態をさらに悪くしないために、鎮痛薬を服用して食事や睡眠を十分にとりましょう。早めに歯科医院を受診することも大切です。
 
 

2.顎が痛むのはなぜ?

 

2-1. むし歯の影響で膿が蓄積して炎症を起こしている

むし歯が原因で顎が痛む場合、顎下部の「蜂巣炎」や「歯根嚢胞」が疑われます。
細菌感染が組織の隙間へ広がっていく化膿性の炎症を「蜂巣炎」といい、むし歯が原因の場合は顎下部や頚部が赤く腫れます。むし歯だけでなく、歯周病が原因で起こるケースもある病気です。
点滴で炎症を治めたのち、原因となるむし歯を抜いて治療します。
「歯根嚢胞」は歯髄(歯の神経)までむし歯が達して、歯根の先まで侵蝕された場合に起こる炎症です。嚢胞の摘出術や根管治療を行います。
 

2-2. どの程度のむし歯で顎に炎症が起こる?

むし歯菌によって歯が溶かされる病気を「むし歯」といい、進行具合に応じて「C1~C4」に分類されます。
 
【C1】
歯の表面のエナメル質が溶け始めているが、痛みは自覚しにくい状態
【C2】
エナメル質内部の象牙質にまで進行し、歯がしみたり痛んだりする状態
【C3】
むし歯が歯髄にまで到達し、強い痛みが出ている状態
【C4】
むし歯菌に歯をすべて蝕まれ、根だけ残っている状態
 
歯科医院へ行くのが面倒だからといって、むし歯を放置すると症状はどんどん悪化します。むし歯菌によって膿が蓄積し、顎骨が溶け出して顎にも痛みが生じるでしょう。場合によっては発熱も見られます。
 
 

3. むし歯以外で顎が痛くなるケースはある?

 

3-1.親知らず

 

 
歯列の最奥へ、最後に生えてくる臼歯が「親知らず」です。顎が小さいと親知らずの生えるスペースが不足するため、斜めに生えたり半分だけ埋まっていたりします。
すると磨き残しが生じやすくなり、親知らずの周りで「智歯周囲炎」という炎症が起こります。進行すると、最終的に顎骨へ炎症が出る可能性もあるでしょう。これが、顎が腫れたり痛んだりする原因です。
親知らずはほかの歯よりもむし歯になるリスクが高いので、抜歯をするケースも少なくありません。気になる方は、かかりつけ医で抜歯の必要性について確認しましょう。
 

3-2. 歯周病

歯についた歯垢や歯石に付着した細菌が繁殖し、歯や歯茎で起こる炎症を「歯周病」といいます。
歯周病は自覚症状が出にくいため、知らず知らずのうちに進行しているケースもあります。仮に症状が出ても、放置していると顎にまで炎症が起こるでしょう。
歯周病を防ぐには、日々のブラッシングだけでなく定期的な歯科健診の受診が欠かせません。自分では除去できない歯石などを、専用器具を用いた歯科クリーニングでキレイにしてもらいましょう。
 

3-3. 顎関節症

「顎を動かすと異音がする」
「口が思い通りに開かない気がする」
これらの症状に心当たりがある場合「顎関節症」が疑われます。
顎の左右で動きにズレがあったり、頻繁に外れそうになったりするのも症状の一つです。
進行すると肩こりや痺れ、片頭痛、鼻や耳の不快感など全身へ症状が出るようになるでしょう。顎関節症は最悪の場合、顎の機能を失う可能性がある恐ろしい病気です。
今回紹介した症状の、いずれかに心当たりがある方は、早めの受診をおすすめします。
 

3-4. 口腔顔面痛

歯や歯肉、頭部や顎に慢性的な痛みが出ている場合は「口腔顔面痛」の可能性があります。
原因は多岐にわたり、身体的なものだけでなく心理的葛藤やストレスなど心理的なものが挙げられるケースも少なくありません。
原因によって治療法が異なるため、一概に「これで治る!」とは言い切れません。気になる方は、医療機関を一度受診しましょう。
 
 

4.まとめ

顎が痛む原因は、むし歯だけではありません。歯周病や口腔顔面痛、親知らずの存在が関係していることもあります。
いずれも進行すると症状が悪くなり、ほかの疾患を併発しかねません。
まずは応急処置で対応し、症状が進行する前に歯科医院を受診しましょう。我慢せず、すぐに対処することが大切です。
どの歯科医院を受診すればよいかわからない場合は、タナベ歯科クリニックへご相談ください。症状や口腔状態を確認した上で、適切な治療法をご提案いたします。

歯の黄ばみの原因と対策。予防法や歯を白くする方法は?【後編】

 

市販のアイテムで歯の黄ばみは解消できる?

 

 
今回も、引き続き「歯の黄ばみ」をテーマにお話しします。
後半は、適切な手入れの方法について重点的に解説します。
 
最近は、ドラッグストアやバラエティショップへ行くと「ホワイトニングペン」や「歯の消しゴム」といった自宅で使える黄ばみ対策のアイテムが市販されています。
しかし実際のところ、市販のアイテムだけで高い効果を得るのは難しいようです。
またネットでも歯の黄ばみ対策に関する記事が多く出回っていますが、すべての情報が正しいとは言い切れません。ソースが不十分な記事も多く、すべての内容を鵜呑みにすると逆に見た目や健康を損なう可能性すらあります。
歯の黄ばみが気になる方は、自己判断で市販のアイテムを使うことを避け、早めに歯科医院を受診してください。
 
 

市販のホワイトニング歯磨き粉は使い過ぎ厳禁!

着色汚れを取り除きたいからといって、ホワイトニング歯磨き粉を多用するのはNGです。ホワイトニング歯磨き粉の多くには研磨剤が含まれていますが、過度に使うと歯の表面のエナメル質が削れるためです。エナメル質が削れると、むし歯や知覚過敏になる恐れがあります。
研磨材が少ない製品を選んだり使用頻度を工夫したりして、歯に負担がかからないよう注意してください。強い力で磨くことも避けましょう。
 
 

重曹を使ったブラッシングも厳禁!

ネット記事といえば、よく目にするのが「重曹を使用したブラッシング」です。重曹にはザラザラとした成分が含まれており、磨き粉として掃除に有効なのは事実です。
しかしブラッシングで使用すると、研磨力の強さで歯に深刻なダメージを与えかねません。
ほかの目的で使用すべきアイテムを、歯に使わないよう注意しましょう。
 
 

レモン汁や酢を使ったブラッシングもNG!

 

 
我々の歯は酸に弱く、酸性の口腔状態が長引くとむし歯になりやすくなります。コーラやスポーツドリンク、レモン汁や酢といった酸が強い飲食物を摂ると、歯が溶ける「酸蝕歯」を引き起こすでしょう。
「レモン汁や酢などで歯を磨くとよい」というネット記事が散見されますが、これは誤った情報です。
黄ばみは落ちないことはもちろん、エナメル質の溶けるリスクが高まるばかりです。エナメル質が溶けると、内側の象牙質がむき出しになって知覚過敏になりかねません。
正しい方法でケアを行い、歯の健康を維持しましょう。
 
 

歯科医院でできる黄ばみ対策

歯の着色汚れを取り除く場合、歯科医院では「ホワイトニング」を行うのが一般的です。歯の内部へ専用の薬剤を染み込ませて、歯を白くするという方法です。
歯科医院で施術をする「オフィスホワイトニング」と患者さま自身が自宅でできる「ホームホワイトニング」の2種類があり、短期間で効果を実感したい方には前者がおすすめです。
高濃度の薬剤を使用するため高い効果が見込めるほか、即効性も期待できます。その後定期健診に通って歯のクリーニングなどを受けることにより、健康な白い歯を維持できるでしょう。
 
 

まとめ

近年はネットで調べれば、どのような情報も手軽に見つかる時代です。しかし根拠がない記事も多く、鵜呑みにして実践すると歯の健康を損なう恐れがあります。
歯の黄ばみが気になる方は、自分自身であれこれ行う前に歯科医院を受診しましょう。歯科医院で受けられるホワイトニングが、理想の白い歯を手に入れる一番の近道です。
また「PTMC」という歯科クリーニングを受けて、歯の表面に付着したステインを取り除くのも有効な手段です。まずは口腔状態の確認も兼ねて、かかりつけ医で歯科健診を受けてはいかがでしょうか。

歯の黄ばみの原因と対策。予防法や歯を白くする方法は?【前編】

歯の見た目が第一印象を左右する!

 

 
初対面では「見た目の印象が9割」と言われており、中でも口元がイメージを大きく左右します。
例えば歯が白くて美しい人と、黄ばんでいる人とで印象がよいのはどちらでしょうか?
ある調査では、歯が黄ばんでいる人に対して「不衛生」や「不潔」、「口臭がありそう」、「ブラッシングをしていなさそう」といったネガティブな印象ばかりが挙げられていました。
日本で口元の審美性が注目され始めたのは最近ですが、欧米人はもともと歯に対する意識が高いです。歯の白さや歯列が社会的に重視されており、歯が黄ばんでいると就職で不利になると言われるほどです。
日本ではここまでの影響がないかもしれませんが、ホワイトニングやセラミックといった審美治療に興味を持つ方が増えているのは事実です。
キレイで白い歯を手に入れ、相手にポジティブな印象を与えましょう。
 

白い歯の人は好印象?

白くて美しい歯の人は、初対面の人に「明るくてさわやか」や「清潔感がある」といったポジティブな印象を持たれがちです。就職面接などでも「自己管理ができている」「面接官が好印象を受けるのだから、取引先や顧客にもよいイメージを持たれるはず」といったイメージへ到達します。その結果、信頼度がアップし採用へ至る確率が高くなるでしょう。
白くて美しい歯があれば、得をするシーンは多々あっても損をすることはないと思います。第一印象のよさから、友人関係や恋愛もプラスに作用するかもしれません。
ピンとこない人は、逆の立場で考えてみてください。第一印象の相手が、白くて美しい歯であったらどのようなイメージを持ちますか?
きっと答えはすぐに出てくるはずです。
 

歯が黄ばむのはなぜ?

歯の黄ばみには、次の4つが関係しています。自分に該当する内容がないかチェックして、黄ばみの予防に励みましょう。
 

1.加齢

我々の歯の表面には、エナメル質と呼ばれる半透明の層があります。エナメル質は加齢に伴い薄くなるため、その内側の象牙質が透けやすくなります。象牙質の色は黄色っぽいため、歳を重ねるにつれて歯が黄ばんで見えるようになるのです。
象牙質の色には個人差がありますが、歯が黄ばむ一つの理由として知っておいてください。
 

2.歯垢(プラーク)および歯石

毎日ブラッシングを徹底している方でも、口腔内の歯垢をすべて取り除くことは困難です。口の中へ残った歯垢は、2~3日程度で石灰化して歯石になります。
いずれも乳白色をしているため、蓄積すると歯が黄ばんで見えるようになるでしょう。つまり、歯そのものは白色をしていても、付着物の影響で黄ばんで見えるというわけです。
 

3.食習慣

コーヒーやワイン、お茶、紅茶などを飲む習慣はありませんか?色素が強い飲食物を口にすると、歯が着色されて黄ばんでしまいます。着色汚れ、いわゆるステインが付着するのは、飲み物だけではありません。カレーやチョコレート、ケチャップやキムチなどにも要注意です。
 

4.喫煙

喫煙習慣がある人は、歯が黄ばみがちです。室内での喫煙を続けていると、次第に壁紙が黄色っぽくなってしまうのと同じですね。徐々に着色され、気付いたときには歯が黄ばんでいるでしょう。
 

黄ばみを防ぐには?

何より大切なのは、口腔環境の清潔を維持することです。次に紹介する、3つの対策を重点的に取り組みましょう。
 

1.ブラッシング


ブラッシングの際に、低発泡の歯磨き粉を使うことで黄ばみを予防できます。というのも、一般的な歯磨き粉には発泡剤が入っており、歯がよく磨けていると錯覚しがちです。泡立ちだけがよくても、ブラッシングに不備があると黄ばみが生じるでしょう。
低発泡の歯磨き粉は泡がほとんど出ないので、初めて使用する方は驚くかもしれません。しかし泡が出にくい分、時間をかけて丁寧にブラッシングするようになります。磨き残しがなくなり、着色だけでなく口腔トラブルの予防にもつながるでしょう。
 

2.デンタルフロス・歯間ブラシ

先述したように、ブラッシングだけでは歯垢を100%取り除けません。歯と歯茎の間や、歯と歯の間に蓄積した歯垢は、歯ブラシでは除去しにくいためです。
そのようなとき役に立つのが、デンタルフロスや歯間ブラシの存在です。歯ブラシと併用すれば歯垢を除去しやすくなり、歯の黄ばみを予防できるでしょう。
 

3.うがい

こまめなうがいも、歯の黄ばみを防ぐために有効な対策です。特にコーヒーやお茶など、着色しやすい飲食物を口にしたあとは積極的にうがいをしましょう。
外出先などで難しい場合は、水を飲んで原因物質を洗い流すだけでも構いません。ガムを噛んで、唾液の分泌を促すのもおすすめです。
 
 
今回は、歯が黄ばむ原因や有効な対策をお伝えしました。次回も引き続き、同じテーマでお話しします。

副鼻腔炎で歯が痛すぎる! 症状の特徴や痛みを軽減する方法を紹介

風邪や花粉症といった体調不良の際に、複数の歯が痛くなった経験はありませんか?

特定の歯だけではなくいくつもの歯がまとめて痛む場合、副鼻腔炎によるものかもしれません。
そこで今回は、副鼻腔炎について解説します。
謎の歯痛に悩まされたことがある方は、ぜひ参考にしてください。慢性的な副鼻腔炎にお困りの方も、本記事を読めば治療につながるヒントが見つかるかもしれません。

 
 

1.副鼻腔炎による歯痛とは?

そもそも副鼻腔炎が、どのような疾患であるかご存知でしょうか。
額、目や頬骨の後ろなどにある4ヶ所の空洞を「副鼻腔」といいます。
鼻呼吸で取り込んだ空気を湿らせ、温めた状態で体内へ送り込む働きをします。内部の小さな繊毛や粘膜が、空気中のバクテリアやウイルスを取り除く役割も果たしてくれるでしょう。
副鼻腔に炎症を起こした状態が「副鼻腔炎」です。
粘膜が腫れて鼻呼吸が困難になり、頭痛や顔面痛、歯痛などが現れます。
歯痛に関しては主に、次の4つの症状が見られます。
 

1-1.上顎の奥歯が痛む

副鼻腔炎が起こると、鼻に近い部分が痛みがちです。
特に上顎の奥歯の根は、副鼻腔に入り込んでいるケースが多いため、根の先から歯の神経へと炎症が伝わって痛みにつながるのです。
 

1-2.複数の歯が痛む

むし歯との決定的な違いは、特定の歯ではなく複数の歯が同時に痛みを生じる点です。
これは炎症を起こした副鼻腔に、根の接した歯が複数あるためです。主に、奥歯が痛くなるケースが多いでしょう。
 

1-3.左右のいずれかが痛む

副鼻腔炎の症状は左右どちらにも現れるのが一般的ですが、歯痛は急性化したどちらかにのみ起こります。ごくまれに、左右が同時に痛むこともあります。

 

1-4.神経の残存している歯が痛むケースが大半

痛みは神経が残存している歯に出るケースが大半で、抜髄後の歯は影響を受けにくいとされています。
「食事のときなどに噛んだら痛いことがあるけど…」
という方もいらっしゃるかもしれませんが、これは副鼻腔炎による痛みではないでしょう。噛んだときに感じる歯痛は神経の有無に関係ありませんが、副鼻腔炎による痛みは神経が残存している歯にのみ起こります。
 
 

2.歯痛が起こる理由を見極めよう!

痛みの出る理由がわからないときは、次のポイントを参考にして見極めましょう。
 

2-1.熱いものや冷たいものがしみるか

副鼻腔炎が原因の場合、歯の神経が圧迫されて痛むケースが大半です。熱いものや冷たいものを食べて痛む場合は、むし歯や知覚過敏が疑われるでしょう。
 

2-2.痛む歯を特定できるか

痛い歯がご自身で特定できている場合は、むし歯の可能性が高いです。副鼻腔炎によるものであれば、複数の歯が痛むためなかなか特定に至れません。
 
 

3.歯痛を自力で和らげるには?

歯の痛みが出たときは、理由に関わらずすぐに歯科医院を受診することが一番です。
ただ家事や仕事の都合などによって、すぐに受診できないこともあるでしょう。
そのようなときは、次の4つの方法を試してみてください。きっと痛みが和らぐはずです。
 

3-1.十分な水分と睡眠をとる

副鼻腔炎になるきっかけは様々ですが、その一つに「風邪」があります。十分な水分と睡眠をとることで、痛みが緩和するでしょう。身体を温めたり、バランスがよい食事を摂ったりすることも重要です。
というのも、私たちの身体は寝ている間に自己回復します。免疫がウイルスと闘い、次第に鼻呼吸ができるようになるでしょう。

 

3-2.香辛料を摂る

スパイスカレーなどの香辛料を積極的に摂ることで、舌の知覚神経や副鼻腔の粘膜が刺激されます。激辛料理を食べたときに、おのずと鼻水が出るのはそのためです。
辛いものやスパイスの入った料理が苦手な方は、ペパーミントやハッカのキャンディなどでも構いません。
鼻の内部をスッキリとさせることが大切です。
 

3-3.鼻うがいをする

あなたはこれまでに、鼻うがいをしたことがありますか?
一方の鼻の穴から薬剤を流し入れ、口から出すというものです。ウイルスが排出され、副鼻腔炎の症状がラクになるでしょう。
初心者でも安心して使えるのが、市販の鼻うがい液です。低刺激の薬剤が使用されており、専用の容器もついています。最初はうまくできないかもしれませんが、慣れればとても簡単です。
ドラッグストアなどで購入できるので、ぜひ探してみてください。
水道水を用いる場合は、適切な方法で殺菌などを行いましょう。手順を誤ると、感染症などを引き起こすリスクがあるので注意が必要です。
 

3-4.冷却する

歯が痛むメカニズムは、炎症で膨張した粘膜が歯の神経を圧迫するためです。
ビニール袋などに氷水を入れ、顔面に当てて冷却しましょう。神経が鈍くなり、一時的に痛みを緩和できるはずです。
効果がないと感じたら、市販の鎮痛剤などを併用してください。
 
 

4.歯の状態の悪さが副鼻腔炎を引き起こすこともある?

これまでの話とは反対に、歯の状態の悪さが副鼻腔炎のきっかけになるケースもあります。耳鼻科などで処方された抗生物質を飲んでも、根本的な部分にアプローチしなければ改善は見られないでしょう。
原因として考えられるのは、むし歯や歯周病、歯根嚢胞や歯根破折など様々です。重度の場合は、歯や鼻だけでなくほかの部分にもトラブルが起こっているはずです。
心当たりがある方は、早めに歯科医院を受診しましょう。
 
 

まとめ:異常を感じたら早めに医療機関を受診してください!

身体に何らかの異変を感じたら、早めに医療機関を受診しましょう。副鼻腔炎のみであれば耳鼻咽喉科、歯痛も伴う場合は歯科医院が望ましいです。
今回紹介したポイントをチェックして、まずどちらを受診するか決めても構いません。
症状が悪化して治療が長引く前に、早期の受診をお願いします。

歯茎の口内炎が痛い! 種類・原因・つらい痛みを解消する方法【後編】

歯茎の口内炎の種類・原因について【後編】

 
前回は、口内炎の様々なタイプを紹介しました。
今回も引き続き同じテーマを取り上げ、主に痛みを和らげる方法を紹介します。
 
 

痛みが続く口内炎を自然治癒させる方法

口内炎は強い痛みが何日も続くため、食事や会話のたびにネガティブな気持ちになるはずです。
少しでも早く治せるよう、次の4つに注意して生活しましょう。
 

1.十分な睡眠時間を確保する

口内炎のほとんどが、免疫力の低下によるものです。
何らかの理由で不規則な生活になっている方は、十分な睡眠時間が確保できるよう努めましょう。
理想の睡眠時間は1日8時間以上です。
まずは3日以上、この生活を続けてみてください。


 

2.口内炎用の市販薬を使用する

口内炎の程度や位置によっては、痛みが強すぎて日常生活もままならない状態になります。我慢できない方は、口内炎用の市販薬を使ってケアしましょう。
市販薬には軟膏やシール、服用するタイプなど色々な製品があります。用法用量を守って使用するのが一番ですが、日中の貼付や塗布が難しい場合は就寝前だけでも使用を徹底しましょう。
きっと早めによくなるはずです。
 

3.刺激物を避ける

唐辛子や炭酸飲料など、刺激物を摂取すると口内炎が悪化します。ケチャップやソースなど、味が濃い調味料も避けた方がよいでしょう。薄めの味付けを意識し、バランスがよい食事を心がけてください。
もしも痛みによって通常の食事が摂れない場合は、カロリーが豊富に含まれたゼリーなどを食べるのがおすすめです。症状の改善が見られてきたら、通常の食事へと徐々に戻しましょう。
 

4.日々のブラッシングを徹底する

口腔内には億単位の細菌が常在しており、傷ができるとそこから菌が侵入して口内炎になります。細菌が増えすぎないよう、減菌に努めましょう。
必要に応じて糸ようじや舌ブラシを使用しつつ、毎食後のブラッシングを徹底することが大切です。
洗口剤を使うのも有効な方法ですが、口内炎がある場合はアルコール入り製品の使用を避けてください。刺激されて口内炎が悪化する恐れがあるためです。低刺激のものを選びましょう。

 

2週間経ってもよくならなければ受診を!

口内炎は通常、長くとも2週間程度で治ります。
様子を見ても症状が改善されない場合、さらに肥大している場合などは歯科医院を受診してください。
ほかの疾患が関係したり、著しい免疫力の低下で他の口腔トラブルを引き起こしたりする可能性があるためです。
 

免疫力を高めて清潔を維持することが完治への近道です!

口内炎ができると、痛みで食事や会話がしにくくなります。歯が当たるたびに痛んで、億劫な気持ちになる方もいるでしょう。
少しでも早く完治させるには、体力を回復させて免疫力を高めるほかありません。
栄養バランスのとれた食事と十分な睡眠を心がけ、毎食後のブラッシングを忘れず行いましょう。
痛みのピークを越えるまでは、市販薬の使用も検討してください。

歯茎の口内炎が痛い! 種類・原因・つらい痛みを解消する方法【前編】

歯茎の口内炎の種類・原因について

 

歯茎にできる口内炎

口内炎は、一度できると痛みとの闘いがしばらく続きます。気になって、仕事や家事が手に付かない方もいるでしょう。
口内炎は舌の側面や頬の裏側だけでなく、歯茎に生じることもあります。
歯茎に口内炎ができることは珍しく、これまで聞いたことがない方もいらっしゃるかもしれません。
本記事では歯茎にできる口内炎の特徴や種類について詳しく解説します。
口内炎とは無縁の方も、今後発症したとき対処できるようにぜひ読んでおいてください。
 
 

刺激を避け、安静にして過ごすのが基本

 

 
「歯茎に口内炎ができるなんて聞いたことがない」
「ほかの病気なのでは?」
このように思う方もいらっしゃるかもしれませんが、そもそも口内炎とは「口腔内にできた炎症」を指します。ですので、表現は決して間違っていません。
原因のほとんどがストレスや疲労の蓄積、ビタミン不足などによる免疫力の低下です。そこに頬の内側の粘膜を噛んだり、歯ブラシを強く当てたりするなどの外的刺激が加わることで、口腔内の常在菌が入り込んで感染するのです。
治すためには、自己免疫力を高めるほかありません。極力刺激を与えないようにしながら、安静にして過ごしましょう。1週間~10日程度でよくなるはずです。
 
 

口内炎のタイプ

できる場所に関係なく、タイプは大きく分けて3種類です。1つずつ、特徴を詳しく解説します。
 

1.アフタ性

一般的な口内炎が、こちらのアフタ性です。直径2mm~10mm程度の白くて丸い潰瘍が見られ、周りは赤く延焼しています。
熱いものや刺激的な調味料などを口にすると、強く痛む点が特徴です。会話の際に、患部へ歯などが当たると痛いと感じることもあるでしょう。
原因のほとんどが、免疫力の低下および粘膜からの細菌の侵入です。
暴飲暴食や不規則な生活などの心当たりがある方は、特に注意が必要です。バランスのよい食事を心がけ、十分な睡眠時間を確保しましょう。
治るまでの数日間は激痛との闘いですが、10日~2週間ほど様子を見れば自然治癒するでしょう。基本的には、放っておいて問題ありません。
 
 

2.ウイルス性

何らかのウイルスに感染した場合も、口腔内に潰瘍ができます。代表的なものは、次の2つです。
 

【2-1.カンジダ】

常在菌の一種であり、真菌類(カビ)に分類されます。普段は口腔内にあっても特段問題ありませんが、免疫力が低下すると増殖して粘膜の炎症を引き起こします。
白いコケのようなものが口腔内に付着している場合、カンジダが疑われます。痛みがないため、発見が遅れる場合もあります。中には赤い斑点状の発疹が出ることもあり、その場合は強く痛むのが特徴です。
 

【2-2.ヘルペス】

こちらも同じく、日本人の90%近くが普段から持っている菌とされています。幼少期に親から感染することが多く、免疫力が落ちたタイミングで炎症を起こします。
唇や歯茎に小さめの水ぶくれが密集し、その周りが赤く炎症します。重度の場合、ただれや強い痛みが見られるでしょう。
ウイルス感染によるものなので、歯科医院で適切な治療を受けてください。気付いた時点で受診することが早期回復のカギです。
 

 
 

3.ほかの病気が関係するもの

様子を見ても回復の兆しが見られない場合、アフタ性ではなくほかの病気が関係しているかもしれません。
代表的なものとして挙げられるのが次の4つです。
 

【3-1.ベーチェット病】

原因不明の特定疾患で、難病指定されている病気です。口腔内に口内炎が繰り返し発生し、並行して性器や皮膚、目の周りにも同様の症状が見られます。
ヘルペスなどのウイルスが感染すると、さらに厄介となるので早期の治療が大切です。
 

【3-2.壊死性潰瘍性口内炎】

不規則な生活や体調不良などによって、免疫力が突然低下した場合に起こります。
丸くて白い潰瘍や歯肉のただれ、強い痛みなどが主な症状です。場合によっては出血や口臭を起こすこともあるでしょう。
様子を見ていても自己回復しないため、早急に歯科医院を受診してください。放っておくと最悪の場合、歯が抜け落ちたり顎骨が壊死したりする恐れがあります。
 

【3-3.HIV(エイズ)】

HIVは「ヒト免疫不全ウイルス」による病気です。
様子を見ていても悪化の一途をたどる場合は、歯科医院を受診してください。
 

【3-4.がん】

極度に大きい口内炎ができている場合、口腔がんが疑われます。初期段階では違和感がなくとも、進行するにつれて徐々に痛みが生じるでしょう。
一般的な口内炎とは見た目や症状が異なるため、何かおかしいと感じたら歯科医院を受診してください。
 
 
今回は、口内炎の様々なタイプについて紹介しました。
基本的には自然に回復しますが、場合によっては治療が必要なこともあります。また、ただの口内炎だと思っていたら、重篤な病気が発覚するケースもあるので侮れません。
なかなか自然治癒しない、ほかにも何らかの症状が見られる場合は早めに歯科医院を受診してください。最悪のケースになる前に、適切な治療を受けましょう。