抜歯後の穴はどのくらいで塞がる?
歯を抜いた直後は痛みや口の中の違和感が大きく、「いつになったら治るのだろう?」と不安になる方も多いのではないかと思います。
歯を抜いた後の歯茎は、約1ヶ月で治癒し、半年~1年くらいで完全に塞がります。時間はかかりますが、違和感を感じなくなるまでの期間はそう長くはありませんので心配いりません。
今回は「抜歯」の後の流れについてお伝えしていきます。
【抜歯当日】血餅ができる
抜歯した直後には、血餅(けっぺい)という血のかたまりのようなものができます。
カサブタのようなもので、患部を守る大切な役割があります。
抜歯後は口の中の出血が気になる方も多いですが、強く口をすすいでしまうと、剥がれて水と一緒に流してしまう可能性があるため、血を水と一緒に吐き出す程度に留めてください。
【抜歯後3~4日】歯茎の再生がはじまる
抜歯後、3~4日経つと、穴の周りから歯茎ができ始めます。
ただ、歯茎が再生するといっても穴が塞がっているわけではなく、再生したばかりの歯茎はとても柔らかく簡単に傷つきます。
舌や指で患部を触ってしまったり、歯ブラシを当てたりしてしまうとでき始めた歯茎が傷ついてしまうため、なるべく触れないようにしてください。
【抜歯後1週間】血餅が肉芽組織
抜歯から1週間くらいすると、血餅が肉芽組織(にくげそしき)に変化します。
この時には、口をゆすいだり、うがいをしたりする程度では取れなくなります。
穴が塞がるまでの傷口を守ってくれる大切な組織で、これができるまでは、なるべく傷口に触れないことが大切です。
【抜歯後1ヶ月】骨の再生と歯茎の再生
抜歯から1ヶ月ほど経つと、今度は肉芽組織が変化して骨の再生がはじまります。
また同時に歯茎の再生が進み、穴が覆われてくるので傷口が気になりにくくなってきます。
ただし、この時点でも穴が完全に塞がりきっているわけではないので、「まだ治っていない」と感じる方も多いです。
【抜歯後1ヶ月~1ヶ月半】抜歯窩が覆われる
抜歯後にできた穴は、抜歯窩(ばっしか)と呼ばれます。
この穴は、1ヶ月~1ヶ月半もすれば、歯茎に覆われます。
【抜歯後半年~1年】完全に抜歯窩が埋まる
抜歯後半年~1年くらい経てば、再生した歯茎や骨が完成し、歯茎の穴が分からないくらいになります。
レントゲン写真で撮影しても穴が映らないくらいになるので、口の中の違和感も一切なくなります。
抜歯後の歯茎の痛みはドライソケットかも?
抜歯後に痛みが生じることはよくありますが、一般的には3~4日すれば、治まります。
抜歯から1週間以上経過しても歯茎の痛みが治まらない場合は、ドライソケットを疑ってください。
ドライソケットとは、直訳すると“乾燥した穴”という意味があり、抜歯窩が乾ききっている状態を指します。
とくに親知らず(第三大臼歯)をはじめとする大臼歯の抜歯の際に生じることが多いです。
持続的にズキズキとした強い痛みが出たり、食事の時の刺激で痛み出すこともあります。
歯茎の中からにおいが出ることもあるため、自分でも口臭が気になったり、人から口のにおいを指摘されることもあるかもしれません。
もし「ドライソケットかもしれない」と感じた時は、お気軽に抜歯をした歯科医院にご相談ください。
抜歯後の歯茎の腫れは、主に親知らず(第三大臼歯)を抜いた時に起こりやすいです。
親知らずの抜歯後は、だいたい1~3日に腫れのピークを迎え、顔まで腫れてしまうことがあります。
腫れは少しずつひいていきますが、1週間以上経っても腫れがひかない場合は炎症を引き起こしている可能性があるため、すぐに歯科医にご連絡ください。