歯石取りで血だらけでも大丈夫。歯石取りで出血してしまう理由とは?
歯科医院で歯石取りをしたあとに、毎回出血している方はいらっしゃいませんか?
不安に感じている方もいるかもしれませんが、歯石取りの際に出血するケースは少なくありません。
今回はその理由を、詳しく掘り下げて解説します。
定期的に処置を受けている方や、今後受けてみようと考えている方はぜひ参考にしてください。
そもそも歯石取りとは?
まず歯石は、次の3段階で発生します。
1.ブラッシング不足などによって、口腔内に食べかすが残る
2.時間の経過によって食べかすがプラーク(細菌の塊)になる
3.さらなる時間を経てプラークが歯石になる
プラークが唾液などと混ざり合い、石化したものを歯石といいます。表面がザラザラとしているので汚れが付着しやすく、放置すると歯石としてどんどん蓄積されていくでしょう。
しかし歯石は、残念ながらブラッシングで取り除くことができません。放っておくと歯周病につながる恐れもあるため、歯科医院で早めに歯石取りを行うことが大切です。
除去しやすい歯石の特徴
「歯肉縁上歯石」と呼ばれる、歯茎のラインに沿って付着する白あるいは黄白色の歯石は比較的簡単に取り除けます。歯の表面に付着するのが特徴で、上の奥歯の外側や下の前歯の裏側に多く見られます。
毎日欠かさずブラッシングをしていても、汚れが蓄積しやすいので注意しましょう。
除去しにくい歯石の特徴
「歯肉縁下歯石」という黒あるいは褐色をした歯石は、取り除くのが少々困難です。その名の通り歯茎のフチにできやすく、唾液や血液、汚れなどが固形化してできます。
歯周病菌の放出する色素が黒いことから「黒い歯石」と呼ばれて、むし歯と間違われることも。非常に硬くこびりつくので、除去に時間がかかります。
歯周ポケットに生じやすいので、なかなか気付けないのも難点の一つです。
処置を受けると出血するのはどうして?
歯石取りをしてもらうたびに出血していると、処置を受けるのがイヤになってくると思います。
何かの病気なのではないかと、不安にもなってしまいますよね。
しかし、安心してください!
歯石取りで血が出るというのは、実はよくある話です。
そのようなことが起こるのは、一体なぜでしょうか?
「出血=傷付いた」というわけではない!
プラークや歯石は、いわば細菌の塊です。蓄積すると歯茎の炎症につながるため、少し触っただけで血が出てしまうのです。
ちなみに、日本人の大人の約8割に、歯肉炎や歯周病の病変があるといわれています。
それを考えると、ちょっとした拍子に出血するというのはあまり驚きではないと思います。
医療器具が歯茎を傷付けた、ということはありませんので、安心してくださいね。
出血が、体からの大切なメッセージとなっていることも…
出血をする人が多いとお話ししましたが、歯茎が健康であればそのような症状が出ることはありません。
血が出るということは、歯周病を始めとした何らかの病気が潜んでいる可能性があります。
特に歯周病は、進行するまで自覚症状が出にくい病気の一つです。気付いたときには歯を支える骨が蝕まれており、ふとした拍子に抜け落ちてしまうかもしれません。
処置を受けたときに出る血は「細菌が含まれた悪い血」なので、体外へ排出すべく適切なケアを行うことが大切です。
出血が起こったあとの対処法
出血は、放っておけば自然と止まるケースが大半です。その原因ごと取り除くことができれば、歯茎の炎症も数日程度で徐々に落ち着くでしょう。
歯石取りにおける出血のアフターケアは、非常に重要です。
歯石取り後の出血のアフターケアは、非常に大事です。
ブラッシングの際は、刺激を与えないようにやさしく磨くようにしてください。毛先が柔らかい歯ブラシを使用するのがベストです。
数日経っても出血が治まらないときは、重大な病気が潜んでいるかもしれません。早めにかかりつけ医を受診し、適切な処置を受けましょう。
歯石取りにおける出血は珍しくありません!過度に恐れないでくださいね。
今回は、歯石取りにおける出血のメカニズムや対処法などを紹介しました。
処置を受けた際の出血は、決して珍しいことではありません。3ヶ月~半年に1回は歯科検診を受け、プロに歯石取りをしてもらいましょう。
出血を恐れて歯科医院を敬遠していると、病気がどんどん進行して取り返しのつかない事態になる恐れがあります。この記事が、ご自身の歯の健康を見直すきっかけになればと思います。