歯磨きで歯茎から血が出る! その原因や対処法などを詳しく紹介【後編】
歯茎から血が出たときの対処法
今回は、歯茎から血が出たときの対処法を中心に紹介します。
前回と同じテーマですので、気になる方は併せてご覧ください。
歯周病の可能性があるときの対処法
歯茎から血が出ている場合は、歯周病の可能性があります。
早めにかかりつけ医へ相談し、適切な治療を受けてください。
具体的には、次のような治療で症状を改善する運びとなります。
・歯垢(プラーク)および歯石の除去
・咬合の確認と調整
・歯根の表面をなめらかにする
このような治療をすることで、歯周組織が改善され口の中が掃除しやすい状態となります。
ただし症状の進行が見られる場合、これらの治療が行えない可能性があります。歯周ポケットを減らすための外科的処置や、細菌の量や種類に合わせた抗生物質の投薬などが必要になるでしょう。
血が出たらまずすべきこと
歯茎からの出血には、重大な病気が潜んでいる恐れがあります。次に紹介する、4つのポイントを確認しましょう。
1.ブラッシングで適切な手入れをする
日々のブラッシングをサボっていると、歯周病は悪化する一方です。ご飯を食べたら歯を磨くことを徹底し、口の中を清潔に保ってください。外出中などでやむを得ず磨けないときも、就寝前は必ず磨きましょう。歯周病菌は、寝ている間に活発化するためです。歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスの併用をおすすめします。
2.歯磨き粉を慎重に選ぶ
皆さんには、歯磨き粉を選ぶ基準がありますか?
製品によって特徴や価格が大きく異なるため、どれを買うべきか毎回悩む方も多いと思います。
泡立ちがよい歯磨き粉は「泡立っているのでよく磨けている!」と認識しがちですが、実はその逆です。泡が邪魔になって磨きにくいですし、磨き残しがあっても気付きにくくなります。
泡立ちが少なく、殺菌力の高い歯磨き粉がベストです。
研磨材が使用された歯磨き粉は、エナメル質を削る可能性があるため注意しましょう。知覚過敏を起こす恐れがあるためです。
また歯周病にかかっている間は、余計な刺激を与える恐れがあるので注意しましょう。
使用する歯磨き粉が、ブラッシングの質を左右しうると認識して慎重に選んでくださいね。
3.歯ブラシの毛の硬さに注意する
毛先が硬めの歯ブラシで磨くと、汚れがよく落ちる気がしますよね。健康状態がよいときはそれで構いませんが、歯周病にかかっている間は例外です。毛先が、普通あるいは柔らかめの歯ブラシを選びましょう。歯茎への刺激を軽減できます。
もちろん、毛先が柔らかいからといって強く磨くのはNGです。なでるように、やさしく歯ブラシを動かしましょう。時間をかけて磨けば、ゴシゴシこすらなくともキレイに汚れが落ちるはずですよ。
4.市販の製品を活用する
口の中を清潔に保つためには、口腔ケアに特化した市販の製品を活用するとよいでしょう。
例えば歯ブラシだけでは汚れを落としにくい、歯間には歯間ブラシやフロスがおすすめです。殺菌効果が期待できる、マウスウォッシュを用いるという方法もあります。メーカーによって製品の特徴が異なるので、見比べながら自分に合ったものを探してみてくださいね。
歯周病が自然治癒することはありません
歯周病の進行を食い止めて治すには、歯科医院で治療を受けるほかありません。歯茎が出血した際は、早めにかかりつけ医に診てもらって症状の改善を図りましょう。
基本的には専門の医療器具を使ったクリーニングや、咬合の調整などで治療を進めます。歯科治療だけに任せっきりにせず、自宅で日々の口腔ケアに励むことが重要なポイントです。
「ブラッシングのときに血の味がしたけど、気のせいかな?」
「痛みがないから、とりあえず様子を見ようかな」
このように症状を軽視していると、あとで取り返しのつかない事態になるかもしれません。大切な歯を失わなくて済むよう、早めに歯科医院を受診してください。診察や検査の結果、適切な治療方法を提案してもらえるはずです。
ご自身はもちろん、歯茎からの出血に悩む家族や知人がいれば、本記事の内容をぜひ教えてあげてくださいね。